スールダース(パート2の続き)
スールダースがキールタナ(キールタン )を心から歌い上げると、彼の目の前にはもうかわいらしいカネイヤの姿はありませんでした。そこには荘厳で麗しく、美と光を放ったクリシュナ神が御姿を現したのです。そしてクリシュナ神は甘い微笑みを浮かべてスールダースの目にその御手をそっと触れました。すると瞬く間にスールダースの目は光を取り戻し視力が回復されたのです。スールダースは歓喜と至福に満ちあふれ、涙を流しながらクリシュナ神の御足に平伏しました。そしてクリシュナ神とひとつになったのです。
スールダースのキールタナ song by Ravi Kumar
キールタナはこのように自分の気持ちを歌にして、個人的に神様に伝えるものです。
サンキールタナ(サンキールタン )
では次に、キールタナ(キールタン )から更にレベルアップされたサンキールタナについてお話します。学校で先生が黒板に問題を書いて、ひとりの生徒を指して答えさせました。そのときにその生徒が間違った答えを言うと先生はとても怒って、その生徒は廊下に立たされました。ひとりでみじめでさみしい思いで廊下に立っていました。すると次の生徒がまた間違った答えを言って廊下に立たされました。すると一人より二人になったので気が楽になってきました。すると次から次へと間違った答えを言った生徒がどんどん廊下に立たされて、クラス40人中35人が廊下に立たされたので廊下はとても賑やかで楽しくなってきました。今度は教室に残っている生徒の方がさみしい気持ちになりました。でもずっと廊下にいるわけにも行かないので、みんなで先生に謝罪しに行くことにしました。もしもひとりで謝りに行くとなったら心細くで気が重くなるでしょう。しかし、35人一で緒に謝る場合は心細さはなくなり力が出てくるので先生に気持ちを伝えやすくなります。
また一人の生徒が「先生、来てください」と呼んでも先生が忙しかったら後回しにするかもしれませんが、クラス全員40人で声を揃えて「先生、来てください」と呼べば先生はすぐに来てくれるでしょう。
バジャンも同様に、自分の気持ちを神様に伝えるとき、ひとりで歌うよりもみんなで合同で歌えば力が出て来て、容易に神に気持ちが届くのです。このようにみんなで歌うバジャンがサンキールタナ(サンキールタン )です。この、グループで歌うサンキールタナこそがバジャンのエッセンスなのです。(パート4に続く 近日更新)